第2回「待っててね」
コアノオト/待っててね
こちらの歌詞と一緒にご覧下さい。
Q.この曲を一言で表すと?
A.現代版ロミオとジュリエットが目指したオフトゥン
【歌詞構成】
いつもの文語的な感じから口語的な感じにすることを心がけ、原作のショートショートで登場する女の子が1番のパート、男の子が2番のパートをそれぞれ独白するようなイメージで考えた。間奏以降は、2人が落ち合ってオフトゥンを見つけるまでの様子を綴っている。
【歌詞解釈】
〈1番〉
Aメロは「既読」と「最後」と「最期」にフォーカスを当てたかったので、
他に漢字を使わないようにしてこの3つの語を浮かび上がらせようと試みた。
Bメロの「いくね」の部分は「行くね」としたかったが、どちらかというと漢字的には
「逝くね」の方なので文字を平仮名にしてどちらにでも取れるようにした。
Cメロのオフトゥンが意味するものについてであるが、「人は普段生きていく中で、どんな世界を求めているのか」と漠然と考えると、桃源郷やユートピアとかそんな大それた非現実的なものではなくて、もっと現実的で身近な、ちょっとした温かさを求めているのではないかと。そしてその象徴が、オフトゥンであると。尚、この歌詞で言う「オフトゥン」は、単純に「お布団」という意味ではなく、「身近にある幸せ」という概念である。
サビでは、心のどこかでは、オンラインだろうがオフラインだろうが人は分かり合えないもので、共感できるところも都合の良いところを切り取って分かった振りをしているだけなんだとは気づいてはいたけれども、「ヨソはヨソ、ウチはウチ」と自分に言い聞かせていた。けれども、理想と現実のギャップが広がるにつれ、寂しさが募っていった。
〈2番〉
基本的には1番と同じような構成である。男の子なので割りとドライで、ぶっきらぼうな感じの物言いになっており、少し達観したように「所詮」と言ってみたりしている。
〈間奏後〉
1番のサビと2番のサビがミックスされ、ここで2人が待ち合わせ場所に到着したことが伺える。そして、そこは、ふわふわで何の苦痛もないオフトゥンに包まれた世界だった。最後の「離れてたー」以降は、あ母音を多めに入れて暗い中に明るさを出し、メリーバッドエンドらしさを表現しようとした。
参考にさせていただいたもの
プロット・・ウィリアム・シェイクスピア「ロミオとジュリエット」(坪内逍遥訳)
作詞方法・・さだまさし様「関ジャム 完全燃SHOW」(2016年10月9日放送)