ボカシノロポエ

このブログは、ボカロ曲の歌詞について個人的な解釈を発表する場です。Twitter→@poe_rics

第7回「404号室の住人」

※この歌詞解釈は、「404号室の住人」の歌詞と一緒にご覧いただく事で、よりお楽しみいただけます。

piapro.jp

 

【今回のテーマ】

①プロローグ(設定)
②ノックのノクターン
ぐるりの針の行方を追う者
④エピローグ(ピノッキオ)

  

①オープニング(設定)

 この作品は、「404 not found(404エラー)」という、インターネットで存在しないページにアクセスした際に表示されるエラーコードから着想を得ました。 

 人は誰しも、家族や友人・先輩や後輩・先生や上司等々・・周りの期待や世間の目・空気や忖度に触れ、それらの人々の希望を叶える為に行動していく内に自分を摩耗し「今、自分は誰の人生を生きているのか」分からない状況に陥り、コミュニティとの付き合い方に悩む時があります。

はたして、自分の居場所はどこにあるのか。「他者が自分を必要としている場所」では息が詰まるし、「自分が居たい場所」だけに留まっていても寂しさがある。他者から必要とされながらも、自分が自分らしく居られる場所、そのクロスしたところが居場所なのではと思います。

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②ノックのノクターン

 夜想曲と呼ばれるノクターン。そのイメージで、現在なかなか居場所が見つからない、夜中のような暗闇にいる人達に向けて書きました。

 時折入るノックの音は、ベートーヴェン交響曲第5番(運命)にまつわる話を参考にしています。これは、ベートーヴェンの弟子が「先生、冒頭のダダダダーンは何を意味しているのですか」と聞いたところ、「それは運命が扉を叩く音だ」と答えたと言われています。そこから、この「404号室の住人」では、今はまだ存在しない自分の居場所(404号室)から出て、自分の運命の部屋を見つける為にドアを叩いていく(探していく)というイメージで制作していきました。 

 

③ぐるりの針の行方を追う者

 今回、歌詞で特筆すべきこととしては、幾つかの造語を作ったことでしょうか。

ぐるりの針・・人生ゲーム、時計、コンパス。それらの円盤を、それぞれの針がカチカチと音を立て物語を進めていく。それと共に、チカチカと消えそうだった命が、また動き始めていく。「マスからマス」は、人生ゲームのマスと人の集団という意味のマスのダブルミーニング

東雲(しののめ)・・闇から光へと移行する夜明け前に茜色にそまる空を意味しており、東雲夜空はより深い闇からの移行ということを強調している。 

閃光(せんこう)・・瞬間的に明るくなる様。閃光花火はそこら中に稲光が落ちている様子を表している。

東雲夜空、閃光花火を通して、「あれだけ荒天で絶望的だった夜が明るく晴れやかになっていく様」を表現している。

E世界・・異世界と良い世界の意味を掛け合わせた言葉。

 

④エピローグ(ピノッキオ)

 私の人生の砂時計は、自分の為に流れているのか、他人の為に流れているのか


 イタリアの作家、カルロ・コッローディの児童文学作品「ピノッキオの冒険」のピノッキオのように、人は頑張っているのに様々な邪魔が入ってしまう。

 そして心身共に疲れきり、自分の居場所に悩み、人にはBADボタンばかり押してしまう。そんなことをしていても、自分にイイネを押してくれる人はいない。そこでまたBADボタンを押す負の連鎖が続く・・

 レールの下に敷く枕木のように、うまくいかなかった昨日の経験があることで、自分という電車が明日へ連れていってくれる。

 運命は、待っていてもインターホンを押してやってきてはくれない。
 扉を叩いて開いていくことで、自分の居場所を見つけていく。 

 

 

【参考資料】

 

www.youtube.com

ja.wikipedia.org

www.youtube.com

 


www.youtube.com

 

ja.wikipedia.org

 

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