第5回「王子様と時泥棒の星」
【歌詞】
【テーマ】
大事なものは、擬態している。
リサイクルできるのは、物だけじゃない。
自分の生きてきた時間だって、リサイクルできる。
【PV場面解釈】
個性的なファッションの街として知られる原宿。
自分の世界を持つ、自分の星を代表する王様が、女王様が、そこかしこを行き交いすれ違っている。そんな混沌とした中にも魅力の詰まったこの街は、この曲の世界観を表現するのにピッタリである。
【歌詞背景ストーリー】
人生で大事なものを探しに出かけた王子様。色んな星を回り、ある星に辿り着いた。それは、「時間の星」。過ぎていった時間を新しい価値に作り変えてくれる星。そこで、王子さまは「大事なものは、いつも擬態されている」ことに気づく。
過ぎ去った時間は過去だけのものじゃない。過ぎ去った時間は、リサイクルすることができる。過去にゴミ捨て場のゴミのような出来事があったとしても、そこに意味を見出して作り変えれば、過去が価値のある宝物として生まれ変わる。そして王子様は、時間の花の花言葉を探して、今日も旅に出る。
【用語解説】
①箱の羊
心の中の感情を具現化したもの。メィメィはその時々の感情の声。
②15秒間
「今感じている現在は直近15秒間の知覚の集大成である」という研究結果から転じて、この曲では15秒間=現在のこと。
参考URL・・https://gigazine.net/news/20140804-reality-15-seconds-in-the-making/
③笑顔の鈴
星空のこと。
④8分
太陽の光が、太陽の表面から地球の表面に到達するまでの時間。転じて、この曲では現在目の前が真っ暗であったとしても、もう少し耐えれば陽の光が当たるかもしれないという意味。
参考URL・・http://sittoku-zatsugaku.com/light-of-the-sun/
⑤カタバ風
密度の高い空気が、高高度の地点から低高度の地点へと滑降することで起こる風のこと。転じて、この曲では時差の関係で光の届かない時間も、暗闇の中猛烈な向かい風に耐えながらも頂上へ向い登っていこうということ。
参考URL・・http://www.data.jma.go.jp/antarctic/ant_yogo.html
⑥さかさまに飾られた世界
夢を蝕むバクの群れ
大人は建前で生きて、子供は本音で生きる。大人よりも子供の方が本質的なものを知っているのに、大人が子供の夢を奪ってしまう。大人の嘘で飾られた世界。大人達=夢を食べると言われているバクの群れのようだ。
⑦ピラミッド
生まれた時から、人は死(空)へ向かう。どんどんどんどん石を積み上げていって(作品を創り上げていって)、その積み重ねが大きな大きなピラミッドになる。僕達は作品を残して死ぬ。作品の集合体が生きた証になる。遺品になる。大きなピラミッドを作ろう。
⑧86,400秒
24時間を秒数に変換したものである。毎日はピラミッド建設へ向けどうやって1秒1秒を使っていこうかと苦心する日々の連続である。
参考URL・・http://www.b-chan.jp/entry/20130204/1359989221
⑨完全無欠のビビガール、ビビボーイ
物も友達も、スペアも、何でも持っている完璧なお人形のこと。
⑩Tick tack
時間を刻む針の音
⑪うわばみ
何かを飲み込む象徴
⑫心の花
はかないもののたとえ
⑬星が真上に見えていた頃に
宇宙から地球に落ちてきたちょうど1年前のこと
⑭夜空に咲いたバラ
星のこと。転じて、この曲ではバラは大事なものの象徴
⑯どこにもない家
大事なものを入れる箱「心」のこと。
⑰見えない大事なもの
心、時間のこと。
⑱どこの星にも咲いている
星の王子様の中では、バラは、序盤は唯一無二の特別なものであったが、終盤、【実は何本も同じものがあるんだ】と王子様は知り、動揺する。転じて、この曲では、どこにでもある、代わり映えのないもののこと。
⑲意味がある
「人生に無駄なことなんてない」と言う人がいる。しかしながら、実際は「無駄だったな」と思うことは幾らでもある。何が大事なのかと言えば、無駄なことにも意味を見出し、ネタ(糧)として昇華することで初めて、二束三文だった無駄な出来事にも価値が出る。
【参考文献】
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「星の王子様」
ミヒャエル・エンデ 「モモ」