第3回「ミルククラウン・オン・ソーネチカ」
※この記事は、楽曲の制作者であるユジー様がピアプロで発表されている歌詞を横に並べてご覧ください※
この楽曲の歌詞を読み解く上で、重要なキーワードは3つ。
「わたし」の「罪」「って」。
りぴーとあふたみー
「わたしの罪って」
以下、それぞれのキーワードについてそう感じた理由を述べていく。
◎まず、1つ目のキーワード「わたし」について。
ずばり、わたしとは誰を指しているのか?
歌詞を読みこんでいくと、「わたしだけが知ってる小さな戴冠式」というフレーズがある。また、この曲のタイトルは直訳するとソーネチカのミルククラウン。
そして、ソーネチカとソーニャという名前であるが、これらはソフィアという人物名の愛称である。普段使う愛称としてはソーニャ、更に親密になったりおねだりするような場合にはソーネチカを使う。
以上のことから、「わたし=ソーネチカ=ソーニャ」であると考えられ、この曲は自分自身に語りかけている歌だと推察される。
◎2つ目のキーワード「罪」について
ソーネチカという愛称は、ロシア文学にしばしば登場する。
有名な作品では、ドストエフスキーの「罪と罰」、チェーホフの「ワーニャおじさん」、ウリツカヤの「ソーネチカ」などがある。もしこの曲が何かの作品をモチーフにしたとするなら、この中では小説の内容と歌詞の内容からすると罪と罰が近いのではないか。
罪と罰に登場するソーネチカは、貧しい家の為に身体を売って日銭を稼いでいる女の子。Aという才能も、Bという才能も、Cという才能もない。
「堂に入ったたぬき寝入りでやり過ごして」
「浄・不浄」
「出来損なった愛玩具」
「汚く濁った願望」
この他、マイナスな言葉を何度も使うことによって、悪いとは思いながらも負の連鎖から抜け出せないソーネチカの心情を吐露しているのではないか。
◎3つ目のキーワード「って」について。
歌詞を注視すると、行の終わりに「って」が8回登場することに気づく。
この意味についての私見は以下の通りである。
①文末を合わせることで、リズム感や統一感を出す為
②うまくいかない苛立ちや社会への不満を表現する為
最後に
なぜソーネチカはティアラではなく王冠に憧れたのか?
①クラウンは権威の象徴であり、奴隷のような今の境遇とは正反対の王女になりたいという願望を表す為
②汚れた自分と真っ白いミルクとの対比を表し、ソーネチカの惨めさや弱さを浮き彫りにする為
以上は、あくまでも個人的な見解であることに留意されたし。